なんちゃって百人一首
百敷や 昭和平成 終わりゆく 懐かしくあり 寂しさもあり ももしきや しょうわへいせい おわりゆく なつかしくあり さびしさもあり 百敷や 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なほあまりある むかしなり…
人もおし 人を恨むは 人生か たった百年 たった百年 ひともおし ひとをうらむは じんせいか たったひゃくねん たったひゃくねん 人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふ故に もの思ふ身は ひともをし ひともうらめし あぢきなく よをおもふゆゑに ものお…
風そよぐ 穏やかな日は 過ぎ去って 地球規模での 破壊がすすむ かぜそよぐ おだやかなひは すぎさって ちきゅうきぼでの はかいがすすむ 風そよぐ 楢の小川の 夕ぐれは みそぎぞ夏の しるしなりけり かぜそよぐ ならのをがわの ゆふぐれは みそぎぞなつの し…
来ぬ人を 待ち続けても いつ来るか わからないから 生きていられる こぬひとを まちつづけても いつくるか わからないから いきていられる 来ぬ人を 松帆の浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ こぬひとを まつほのうらの ゆふなぎに やくやもしほの …
花さそふ 嵐の如き 思春期に タジタジとなる 子供も親も はなさそふ あらしのごとき ししゅんきに たじたじとなる こどももおやも 花さそふ あらしの庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり はなさそふ あらしのにはの ゆきならで ふりゆくものは わが…
おほけなく この歳だから 言える事 たくさん書いて 生きて行こうか おほけなく このとしだから いえること たくさんかいて いきていこうか おほけなく うき世の民に おほふかな わが立つ杣に 墨染めの袖 おほけなく うきよのたみに おほふかな わがたつそま…
みよし野の 花の命と はかなさは 名もなき人と 同じ風情か みよしのの はなのいのちと はかなさは なもなきひとと おなじふせいか みよし野の 山の秋風 小夜更けて 故郷寒く 衣うつなり みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり…
世の中は あっという間が 人生さ やり切ったよと 言い切れるかな よのなかよ あっというまが じんせいさ やりきったよと いいきれるかな 世の中は 常にもがもな 渚こぐ 海士の小舟の 綱手かなしも よのなかは つねにもごもな なぎさこぐ あまのをぶねの つな…
わが袖は すり合わせては 縁にする 言葉にせずに 寄り添うのみに わがそでは すりあわせては えんにする ことばにせずに よりそうのみに わが袖は 汐干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾く間もなし わがそでは しほひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね …
きりぎりす 比較されるは アリさんと どちらを選ぶ それが問題 きりぎりす ひかくされるは ありさんと どりらをえらぶ それがもんだい きりぎりす なくや霜夜の さむしろに 衣かたしき 独りかも寝む きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひ…
見せばやな ありえないわね 今どきは 女は泣かず 男は泣くよ みせばやな ありえないわね いまどきは おんなはなかず おとこはなかず 見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色はかはらず みせばやな をじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし い…
玉の緒よ 今さらながら いとおしむ その時までは 一期一会に たまのおよ いまさらながら いとおしむ そのときまでは いちごいちえに 玉の緒よ 絶えんば絶えね ながらえば 忍ぶることの 弱りもぞする たまをよ たえなばたえね ながらえば しのぶることの よは…
難波江の 地名と共に 母想う 受け継いだのは その強さかな なにわえの ちめいとともに ははおもう うけついだのは そのつよさかな 難波江の あしのかりねの 一夜ゆゑ みをつくしてや 恋わたるべき なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや こひ…
村雨の 有限無限 入り混じる この世の中を 笑顔で過ごす むらさめの ゆうげんむげん いりまじる このよのなかを えがおですごす 村雨の 露もまだひぬ 真木の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆふぐ…
嘆けとて ホウレイ線は 消えないわ 笑いジワだけ 増やすとするか なげけとて ほうれいせんは きえないわ わらいじわだけ ふやすとするか 嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな なげけとて つきやはものを おもはする かこちがほなる わが…
夜もすがら 別れようかと 巡らせる 思いとどまる 子供の寝顔 よもすがら わかれようかと めぐらせる おもいとどまる こどものねがお 夜もすがら もの思ふころは 明けやらで ねやのひまさえ つれなかりけり よもすがら ものおもふころは あけやらで ねやのひ…
永らえば 母の言葉を 思い出す 老いては子らが 従えと言う ながらえば ははのことばを おもいだす おいてはこらが したがえという 永らえば またこの頃や しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき ながらへば まだこのごろや しのばれむ うきとみしよぞ いまは…
世の中よ AIばかり 先を行く 人の心は 置き去りにされ よのなかよ えいあいばかり さきをいく ひとのこころは おきざりにされ 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞなくなる よのなかよ みちこそなけれ おもひいる やまのおくにも しかぞなくな…
思ひわび さびの世界に 通じるや 年齢重ね 思い知るかな おもひわび さびのせかいに つうじるや ねんれいかさね おもいしるかな 思ひわび さても命は あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり おもひわび さてもいのちは あるものを うきにたへぬは なみだなり…
ほととぎす 鳥草雑誌 それぞれに 由来があるや 知りえて不思議 ほととぎす とりくさざっし それぞれに ゆらいがあるや しりえてふしぎ ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただ有明の 月ぞ残れる ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞ…
ながからむ 男心の 特権か 今は女子が 三下り半を ながからむ おとごこころの とっけんか いまはおなごが みくだりはんを ながからむ 心も知らず 黒髪の みだれてけさは ものをこそ思へ ながからむ こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおも…
秋風に 薪ストーブの 準備有り 一心不乱 夫汗だく あきかぜに まきすとーぶの じゅんびあり いっしんふらん おっとあせだく 秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいづるつきの かげのさや…
淡路島 和歌を詠むには 絵島あり 江島生島 浄瑠璃もあり あわじしま わかをよむには えじまあり えしまいくしま じょうるりもあり 淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いくよ寝覚めぬ 須磨の関守 あわぢしま かよふちどりの なくこゑに いくよねざめぬ すまのせき…
瀬をはやみ 3・11 思い出す 忘れちゃうのか 忘れちゃ駄目か せをはやみ さんてんいちいち おもいだす わすれちゃうのか わすれちゃだめか 瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ せをはやみ いはにせかるる たきがはの われてもすゑ…
わたの原 今は飛行機 すぐ行ける グアムハワイも 地球の裏も わたのはら いまはひこうき すぐいける ぐあむはわいも ちきゅうのうらも わたの原 漕ぎ出でて見れば 久方の 雲居にまがふ 沖つ白波 わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもゐにまがふ おき…
契りおきし そのような事 あったよね 昔々の 物語かな ちぎりおきし そのようなこと あったよね むかしむかしの ものがたりかな 契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋はいぬめり ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あはれことしの あきもい…
うかりける 人を十倍 優しさで 返した方が 幸せになる うかりける ひとをじゅうばい やさしさで かえしたほうが しあわせになる うかりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは いのらぬものを うかりける ひとをはつせの やまおろし はげしかれとは いの…
高砂の 雄松雌松で 相生の 相老いともいい 理想の姿 たかさごの おまつめまつで あいおいの あいおいともいい りそうのすがた 高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山の霞 たたずもあらなむ たかさごの をのへのさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらな…
音に聞く 老化現象 やって来た あっちが痛い こっちが痛い おとにきく ろうかげんしょう やってきた あっちがいたい こっちがいたい 音に聞く 高師の浜の あだ浪は かけじや袖の ぬれもこそすれ おとにきく たかしのはまの あだなみは かけじやそでの ぬれも…
夕されば 散り散りになる 子供らは 丸三角と 釘を残せり ゆうされば ちりぢりになる こどもらは まるさんかくと くぎをのこせり 夕されば 門田の稲葉 おとづれて あしのまろやに 秋風ぞ吹く ゆふされば かどたのいなば おとづれて あしのまろやに あきかぜぞ…