半世紀以上前での実家では
ニワトリを飼っていた
ところがである
学校から帰ってくると
一羽もいなくなっていて
柿の木に何やらぶら下がっているものが目に入った
全部処分して
唯一1羽さばいて
自宅で食することになったらしい
母に聞くと
「今夜はごちそうよ~」といった
朝食に卵一個を
3人のきょうだいで卵かけごはんに
昆布の佃煮でかさ増しをして食べていた
卵は貴重品である
これから卵はどうなるのかな~と思ったが
ぶら下がっているニワトリと
母のこってりした美味しい内臓物の煮物とは
リンクしなかった
ただ
あの光景は今でも脳裏に焼き付いている
ポツンと一軒家での
自給自足の生活は
昔々の生活を思い出させた
この便利な世の中に住んでいると
不便さの中の幸せを忘れていることがある